1997年5月14日。
今日はHi-STANDARDの2ndアルバムangry fistが発売されて24年らしい。
フリッパーズギターとスチャダラパーとユニコ-ンとピーターポール&マリーとビースティボーイズが大好きだったボクが始めて買ったハイスタのCDはアングリーフィスト。
フライングクロスで買ったAIR JORDAN1の復刻を履いてサニーボーイか遊イングに行った(思う)
FRANK KOZIKに衝撃を受けて「CDジャケットと音楽のポスターを創る仕事をする!」と漠然と謎に自信だらけだった97年18歳。
そして2021年名古屋上前津。
私41歳。
KUZIRAって知ってる?
凄くカッコイイ岐阜のメロディックパンクバンドだ。
彼らはCDが好き。
一回り歳が離れてるけど、僕達はカッコイイと思っている事と大切にしているモノが凄く近い気がする。
(特にそーゆー話はしたこと無い)
16年に岐阜で結成したKUZIRAは今までに4枚(合計7種)の単独CDを出している。
その中で僕は3枚(合計5種)のジャケットを担当した。
凄く長いけど凄く大事な話なので、KUZIRAを好きな人と最近気になってる人は読んで欲しい。
彼らとの仕事はエキサイティングで凄く面白いから知って欲しい。
ボーカル/リュウノスケ君
ベース/熊野君
ドラム/フチ君
3人で仲良く17年年明けにマーブルに来てくれた。
狭い店内をディグって3人ともCD買ってくれてお支払いの後にリュウノスケ君が「どうやったらマーブルにCD置けますか?」って質問される。
今と変わらず謙虚さは凄くあるんだけど、かわいい顔して少し気が強そうだった笑
リュウノスケ君がバガリアスのコーチジャケット着てたから「僕も好きなんですよ。もし良かったらCD少しだけなら買い取りますよ。」的な会話だったと思う。
ライブ観た事無いし名前も知らないのに失礼だと思う人もいるかもしれないけど僕はこれで良いし、むしろサイコウ!
お店に来てくれてウチの商品気に入ってくれてカッコイイと思ってるモノが近いなら即OKでしょ。
僕達は初対面にして(多分)気が合った。
敢えて言うけど、ここまで人気出てなかったらもっと仲良くなってたと思う。
(彼らはそれくらい面白いしそれくらい魅力的なのだ)
多分レコーディング終わったばかりでまだCD出来てなくて後日持って来てくれたよね?
バガリアスのダイキ(マーブルレコードの下にあるライブハウス・ザイオンで働いてる)に「バガリアスのコーチジャケット着た子が来てくれてコレその子達のCD!結構イイよ!ザイオン誘ってよ!聴いてみてよ!」
すぐにダイキも聴いて「良いっすね~」って珍しく嬉しそう。
ダイキ(バガリアスaka上前津の宝)のオススメもあって初回入荷分はas soon asで完売。
そして1ヵ月後位にザイオンのイベントに出てくれた。
凄く一生懸命でキラキラしててカッコ良かった。
(ガムシャラにキラキラしてるのは凄く重要だ。要領良かったら僕はあまり仲良くなれない)
そこらから多分毎月ペースでザイオン出演&CD追加納品が続いて、NOSEGRIND、マクベス、FSD、UPPERCUT、thrashoutなど同世代のローカルの仲間もドンドン増えてたと思う。
まだまだみんなが知る前の17年春の終わり。
中日ドラゴンズ・荒木選手の2000本安打目前に日本が夢中だった今からちょうど4年前。
2ndデモのデザインかTshのデザインかの依頼を受けた。
そして「PICのロゴみたいなのが良い」との軽い打ち合わせで夏に出来たのが2ndデモ。
なんで黄色にしたかは覚えていない。
僕が覚えてるのは納期ギリギリになっても一切圧力をかける事無く「良い感じ」に制作の進み具合を尋ねてくる「熊野君の絶妙な距離感」だけ。
凄く評判が良くて月に2回位追加で納品してくれて更に仲良くなったんだと思う。
んで、2~3ヶ月で異例の速さでソールドアウト。
「追加で創ろうと思ってます」って話になったから「凄いね!じゃあ、色変えよーよ!」って創ったのが2ndプレス。
今もそうなんだけど彼らはいつも「良いっすねー!」ってアイディアを即採用してくれる。
何で黒にしたかは覚えてない。
多分手元に黒のTshしか無かったんだと思う。
Tシャツも追加で創った。
遊び心は忘れたく無いので変な色のTshも少しだけ創ったりワチャワチャ楽しかった。
今、思い出したけど2ndデモの黄色ボディのTシャツは早い段階で創らなくした。
ジャケットに仕様してるから黒と白の次に売れるはずなのに。だ。
こーゆー「粋」な事を彼らはこれからも続けるだろうから注目しといて欲しい。
KUZIRA出て無いライブでTsh着てる人を見かける事が増えたし、普段ボクの事に全く興味が無い奥さん(my sweet wife)と歩いてる時にKUZIRAのTsh着てる人とすれ違って「さっきの方のTshってあなたの友達でしょ?」と言われて少し嬉しかったりもした。
KUZIRAのTshが凄く人気出たから、僕はふてくされて元ネタのTshは生産終了。
ボクはあまのじゃくだ。
気が向いたらまた創る。
けどそれまで僕はもっと納得いく作品を数多く創らなくてはいけない。
本当にウチでも沢山の人が買ってくれた。
カッコいい友人、上前津を拠点に活動してるローカルのバンドマン、あまり音楽を聴かなくなった古くからの友人、ハードコア大好きな先輩、サブライム好きのギャル、大切なお小遣いを財布から出す高校生。
こんなにドキドキする事は無いよね。
失礼が無い程度に「こんな人がこの前買ってくれたよ」ってメンバーに伝えると絶対にいつも3人ともニコニコ喜んでくれた。
KUZIRAの通販注文が来て発送する時に偶然メンバーがマーブルにいたら「ありがと!」って封筒に書いてくれたり、実は今でもこっそり続けている。
(コレは用意したら面白くない。あくまでも偶然じゃないと)
KUZIRAはその感じも凄くイイ。
2ndプレスもas soon asで売切れ。
もう何処にも売ってない。
もし家でKUZIRAのデモが眠ってる人がいたらメルカリでアホみたいな価格で売らずに近くの後輩や友人に譲ってあげて欲しい。
だって「粋」だもん。
好きなあのコにプレゼントするのもアリだ。
(僕も当時の彼女にもらったハイスタとWIZOのスプリット7は今でも持ってる)
そこから数ヶ月経ってからTRUST RECORDSさんから発売されたdeepdown。
2ndデモからたった1年後。
レコーディング前にマーブルに来てジャケ依頼を受ける。
中日ドラゴンズ・山井投手が40代の完封勝利で日本中が沸いた今からちょうど3年前。
デモの時とはちょっと違う「凄く嬉しいけどオレで良いの?ちゃんとレーベル側にもオレに頼みたいと思ってるって先に相談してみて」って断ったと言うかもうちょっとお互い距離感を考えよう的な返答をしたと思う。
そんな僕のエモい気持ちとは裏腹に数時間後に「レーベルオッケーすー!」的なサラりとしたラインが熊野君から「絶妙な距離感」で返って来た笑
納期ギリギリで完成したのは過去の作品も少し散りばめてゴチャゴチャしたフロント。
(昔からのファンが楽しんでもらえるように2ndデモで使った黄色いTshが)
サンプルもらって歌詞読んで。
これからステップアップするKUZIRAの1曲目が「鯨は滅多に海面に現れない」との歌詞に衝撃を受けました。
(結果的に2018年最も注目を浴びたバンドの一つになった所が彼らの凄いトコ)
2ヶ月位試行錯誤して全然進まなくて実質作業期間は5日位。
(後半はゾーン入って不眠不休で超気持ちよかった)
ボクと同じ歳の1979年産まれのvintage Levi'sが登場してる。
特に意味は無い。
DDのテーマカラーを青にしたから僕の好きなブルージーンズをスパイス的に置いた。
(僕が今最も観たいバンドの一つが偶然リーバイスの歌を歌っている事に後日気がついた。ピザオブデスにも偶然所属している)
マーブルレコードで「DDを買ったらデニムの切れ端が付いてくる」とふざけた特典もフチ君は2秒で「おもろいっすね」と採用してくれた。
先ほど話したダイキがやってるバガリアスバガボンデージの企画にKUZIRAが始めて出演。
その時のフライヤーもチラりと登場。
ちゃんと意味がある。
(誰も褒めてくれないから自分で言うけどチェッカーフラッグとVANSでSKA PUNKを表現した画期的なヴィジュアルだと自負している)
CDの中身は絶対ネットに載せたくないから説明わかりにくいけど。
(メンバーやレーベルが載せるのは良いと思う)
DeepDownのブックレットは凄くシンプル。
コレは意味があって、ホントは色々と写真を掲載する予定だったんだけど全部ボツに。
11ページ目の写真を強烈かつスマートに伝えたくて。
あまり文章では書きたくないので意味がわかればドキドキするし面白い。
で、一番最初に戻ってアングリーフィスト(2nd)の話。
KUZIRAが2ndデモの最後にハイスタの1stグローイングアップの1曲をちょっとだけ弾いてるのが「センスあんなー」って当時から凄く頭に残ってて。
(4年弱でpizza of deathからリリースするなんて思わず話したくなる映画みたいな話だ)
何かこの感じも出したくてdeepdownの11ページにあの写真だけ載せて凄くシンプルなブックレットにしました。
僕のお得意のダブルミーニングだ。
数年後にKUZIRAがピザからリリースするなんて思っても無いし、あくまでコレはボクの勝手なシャレで裏コンセプト。
メンバーにも先日初めて言った位だしモチロン誰にも言って無い。
ボクは基本的に裏の話をしない。
こいつ何言ってるの?って方はHi-STANDARDのANGRY FISTと言うアルバムとKUZIRAのdeepdownを買ってアートワークを見てみて下さい。
多分わかってくれると思います。
SNSには中身の写真載せないでね。
紙媒体の面白さが無くなっちゃうから。
この感じってサブスクとかPDFじゃ無くて紙媒体じゃ無いといけないしCDじゃないと絶対に伝わらないし、僕達はそうしなければいけないって思ってる。
(少なくともあと10年は)
DDのジャケット撮影はボクがいつも座っているデスク。
KUZIRAが全国ツアー終わって「裏ファイナルやりたい!」ってなる半年間ずっとこのジャケットのジオラマは崩さずにデスクに置いていた。
こーゆー感覚がボクは好きなのだ。
CD STOREは楽しいのだ。
裏ファイナルの話も書きたいんだけど長くなったからブログ終わり。
実はこの次の日とpay the piperのアートワークは繋がってたりする。
でもサブスクじゃ絶対にわからない。
CDだけの秘密だ。
頭が整理出来て書きたくなったらまた書く。
世の中がアレやったらTOのケンゾー君の店行ってKUZIRA(フチ君も)とベロベロに酔っ払いながらこの話をしたかった。
KUZIRAがもうすぐ新しい「CD」を出す。
本当に素晴らしい作品だ。
今回も僕がジャケットを担当させて頂いた。
めちゃくちゃフリーダムに新しくて面白い事やってるのでお楽しみに。
今日書いた10倍エキサイティングな事をやっている。
また発売前後に詳しく書く(と思う)けどCDを創る事に僕達はプライドをぶつけてる。
この「CDが売れない時代に。」だ。
今、KUZIRAが面白い事をやっている。
2021年のROCK名盤になるぞ。
そしてCDは楽しい。
江口友章
営業時間12:00~20:00(ザイオンイベント中は終了30分程度まで営業)
水曜定休
〒460-0013愛知県名古屋市中区上前津2-1-10 GIONビル2F
TEL 052-332-1316(地下鉄「上前津駅」、4番出口スグ)
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